眠ろうとしてから、実際眠りに落ちるまでの時間を
睡眠潜時（すいみんせんじ）といいます。
寝つきにかかる時間のことです。
この睡眠潜時は、どれほどの睡眠負債があるのかの
指標となります。
床に就いてから５分以内に眠りに落ちてしまうという人は、
かなり寝不足が続いて睡眠負債ができている状態だと
考えられます。
５～１０分で寝付ける場合は、
やや睡眠負債がたまっている状態です。
１５～２０分で眠れる場合は、
理想の睡眠状態であるといえます。
２０分以上かかっても寝付けないという場合は、
精神生理性不眠症などによる
入眠障害があると考えられます。
不眠症の人は、寝つきがいい人をうらやましく思いますが、
すぐに眠れる人というのは、
それだけ寝不足がたまっている状態であるので、
不注意なミスや居眠りによる事故などを起こしやすいのです。
活発的で気質が高い人やショートスリーパーの人は、
寝つきがいい人が多いのですが、
このような人は、エネルギー全開で活動して、
睡眠負債を一気にため込んで、
効率よく解消する傾向がみられます。
このような意味においては、寝つきの悪い人は、
日中の活動や運動が足りていないとも言えます。
明らかに寝不足が何日も続いているのに、
寝付けないという場合は要注意です。
この場合、何らかの異常事態が起きていると
考えられます。
それがどのようなものなのかを見極める必要があります。
睡眠潜時は、睡眠負債だけで決まるのではなく、
自分にどの程度の睡眠負債があるのかを
考えることが重要になります。
睡眠負債がかなりたまっているのに、
それを自覚しないで、どこでもすぐに眠れると
自慢している人は、慢性的に大きな睡眠負債を抱え
それを責任感や意志の力、
または外的な刺激によって紛らわしていると
考えられます。
これでは、体にも脳にも無理がかかっているのは間違いなく、
うつ病や心身症、心臓発作や突然死といった
リスクを抱えやすくなっているのです。
これらのことをしっかり理解して、
自分の睡眠や疲労にも気を配る必要があるのです。
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