現代社会において、不眠症や睡眠不足で
悩んでいる人はたくさんいます。
昔の人たちは、夜は暗くて眠るのが当たり前でした。
不眠症や睡眠不足で悩まされる人というのは、
ごく稀なことだったのです。
世界中の夜を大きく様変わりさせて、
人々の睡眠を変えるきっかけとなったのは、
エジソンによる白熱電球の発明です。
それまでに、ロウソクやガス灯はあったものの、
その光度はまだまだ弱いもので、
暗闇の一部をほんのりと明るく照らす程度にすぎませんでした。
しかし白熱電球と、その大量生産技術は、
格段の明るさによって夜から闇を奪ったのです。
この白熱電球の発明によって、人々の生活は一変しました。
夜でも働いたり活動したりするのが当たり前になったのです。
実際に人々の睡眠時間はこのころから
短くなりはじめていきました。
これは、発明王エジソンにとってしてやったりの出来事でした。
なぜなら、エジソンは睡眠を無駄なものだと考えていたからです。
エジソンは驚くほど短時間しか眠らずに、
仕事に集中しているときはベッドで眠ることは稀でした。
彼は、眠くなると両手に真鍮の玉を持って椅子によりかかりました。
腕から力が抜けて、真鍮の玉が床に落ちると大きな音がして
目が覚めて椅子から立ち上がり、
またふたたび仕事にとりかかったと言われています。
これは、睡眠徐波という深い眠りに入る手前で
眠りを留めておくいという「うたた寝」の方法だといえます。
睡眠徐波まで入ってしまうと眠気が冷めにくくなって、
後からだるさが残り、集中力が戻るまでに時間がかかってしまうのです。
昼夜関係なく働いて、生産し続けるという効率本位の考えは、
人類のこれまでの睡眠のリズムを大きく変えていったのです。
２４時間活動し続ける現代社会においては、
否応なく睡眠の質を悪化させて、
不眠症や睡眠不足で苦しむひとを増やしているのです。
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