フランスの小説家マルセル・プルーストも
不眠症で悩まされていました。
プルーストは、大長編小説「失われた時を求めて」の中で、
自分の体験の記憶を可能な限り忠実に再現するということを行いました。
それは現代的な意味において自我への執着を表しています。
神経過敏な現代人と同じく不眠症に悩まされて、
ヴェロナールという睡眠薬に依存していたのです。
プルーストとともに、
「記憶の作家」と呼ばれた小説家ウラディミール・ナボコフも
やはり不眠症で悩まされていました。
彼は自嘲的に次のように述べています。
「睡眠は、もっとも高い会費と、
もっとも洗礼されていない儀式をもつ世界で、
一番馬鹿げた友愛会のようなものだ。」
知識人の多くが、この愚かしい友愛会に
高い会費を払わされてきたのです。
近代的な自我を抱えた知識人にとって、
不眠症は持病だとも言えました。
ある意味それは自我の肥大した知識人たる証拠だったのかもしれません。
今では多くの現代人が眠れないい夜を過ごしています。
睡眠時間の減少は、
うつ病などの精神疾患の増加の一因と考えられています。
不眠症は、文明社会がもたらした時代病であって、
それを克服することが、
このストレスの多い時代を生き延びるために不可欠となっているのです。
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