キリスト教と教会の支配が強かった中世ヨーロッパでは、
不眠症は悪魔の属性のひとつとして位置づけられていました。
不眠というものに新たに付け加えられたこの側面が、
不眠症というものに暗い影を与えたのです。
20世紀の心理学や精神医学の発達が、
異常心理学や精神病理学を生み出したのと同じように、
中世では神学を発達させるのと平行して
悪魔学という研究領域も生み出していったのです。
この世の悪は、悪魔の仕業として説明されて、
悪魔を見つけ出して退治する方法というのが
真剣に研究されていたのです。
それは宗教裁判や魔女狩りにおいて、
告発の根拠を与える学問的知見ともなっていきました。
悪魔というのは眠りを必要とせず、
絶え間なく活動を続ける存在としてみなされていたのです。
キリスト教的な秩序においては、
安息日の日曜日に仕事をすることが禁じられたのと同じように、
夜は眠るための時間であって、
夜に活動すること自体が神の定めた秩序を乱して
怪しむべき行為だと考えられていたのです。
共通テーマ:健康 |
nice!(0) |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
編集
コメント 0