文明は夜を明るくして、まるで昼間のように変えてきました。
それと同時に文明は、睡眠の必要性はそのままに、
少なければ少ない方が良いという
コストの一種としてとらえるようになったのです。
不眠不休で働き続ける文明の中では、
睡眠というのは、活動停止を余儀なくされる制約であり、
それ自体に価値があるというよりも
邪魔なものとして扱われるようになったのです。
栄養剤のように手っ取り早く
いつでもどこでも取れるのが理想とされて
短時間睡眠への理想はいまだに根強い人気です。
人々の睡眠時間は、過去百年振り返ってみると
短くなり続けています。
しかもこの数十年でその勢いは加速しています。
多くの人が慢性的な睡眠不足の中で生活しているのです。
さらに短い睡眠さえもなかなかとれないという
面倒な事態にも遭遇しています。
睡眠不足にもかかわらず、多くの人が質の良い
睡眠をとれなくなったと感じているのです。
慢性的に寝つきが悪い人や、
早く目が覚めてしまう人、
夜は眠れないのに昼間眠くなる人など、
いわゆる不眠症で悩む人は増え続け、
処方される睡眠薬の量も増加の一途をたどっているのです。
これは、ある意味睡眠をないがしろにして、
われわれの生活の中から夜の暮らしを奪い取ってきた
文明の副産物ということもできます。
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